あなたの体は9割が細菌 / アランナ・コリン
”あなたの体のうち、ヒトの部分は10%しかない。あなたが「自分の体」と呼んでいる容器を構成している細胞1個につき、そこに乗っかっているヒッチハイカーの細胞は9個ある。あなたという存在には、血と筋肉と骨、脳と皮膚だけでなく、細菌と菌類が含まれている。あなたの体はあなたのものである以上に、微生物のものでもあるのだ。”と本書のプロローグにあります。
主に欧米で疫病のように広まっている超過体重の肥満や、ある種の精神的疾患や、難病と呼ばれている炎症性の腸疾患、アレルギーなどは全て、腸内の微生物の生態系が崩れているために、引き起こされている、というのが著者の主張です。
この本を読んで、今まで過小評価されすぎていた腸内細菌の重要さが物凄くよくわかりました。食物繊維をとって、化学薬品や抗生物質などむやみに体内に入れないようにして、私の中にいる膨大な数の微生物が心地よく過ごせるように、大切にしようと思いました。
欧米での話ですが、腸内の環境が絶望的に悪くなっていて、望みがないほどに疾患が悪化している人でも、糞便移植(提供された大便を自分の腸に入れる)をすると劇的に回復するそうです。今のところは、糞便の提供者は家族に限られているようです。心理的に抵抗感がありますが、副作用も、体への負担も無いし、高額ではないし、いいことずくめですよね!日本でも一般的な処置になっていくといいな~と思います。