愛が実を結ぶとき / ロバート・マーティン

進化人類学の学者が、ヒトの繁殖について、精細胞から離乳に至るまで深く検証した本です。
何百万年、何十億年という歳月をかけて複雑なシステムは、どんな進化の過程を経ているのか?
生殖に関するヒトの生物学特徴は、人類の祖先にあたる各種の脊椎動物や霊長類にも見受けられるので、それらの特徴がどんな環境下でなぜ発達したかを理解すれば、現代に生きる人々の健康と幸福に有益で、誤った定説や常識に惑わされることもなくなります。
普段、人々が何気なく行っている行動などが、原始人の時から脈々と今日まで受け継がれている習慣によるものだったりするのは、ほんとうにびっくり。
例えば、陣痛が始まることがきわめて多い時間帯は午前2時前後で、それは先祖の習性のなごりで、はるか昔に生きていたヒトの祖先は、敵に狙われる危険を減らすために、主として夜出産をするように適応していたということです。
DNAに織り込まれている、様々な生命の不思議やメカニズムを知っておくと、一見理由がないような不可解な事も、あぁ~そういうものなんだな~と納得ができますね。
人間も習性で動いてる、生き物だということがよくわかりました。
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